Maguro Impression
戯言披露ブログ ~ざれごとひろうぶろぐ~

  日々思った事、戯言など適当に書いてます。最近は感想が多め。 IEの文字サイズ「小」推奨。

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菊花の約・道士郎パロ


今日は、重陽の節句です。

日本ではすっかり忘れ去られて廃れ去っているけれど。
なんでも・・・
3月3日の桃の節句5月5日の菖蒲の節句7月7日の七夕・星祭り
・・・等々の節句の中では一番重要だったらしい、節句です。

私は、なんだかこの節句のコトが妙に気になるのですよ。
だから、いつか重陽の節句に因んだ事をやってみたかったのです。

なので・・・今回、この日にちなんで、
重陽の節句が物語の鍵になっている「雨月物語」「菊花の約」を・・・
道士郎的なパロディにしてみました。(何故そーなる;;)

いや、前々からやってみたかったんですよ。コレ;
雨月物語の菊花の約を読んだ時から。なんか道士郎パロにできそうだなって;
実は、某合同本の「なんちゃって予告」でやった「雨月の使者」も、元はコレでした。だいぶ変わっちゃったけど。(爆)

という訳で。いつもやってる道士郎的即興企画を一回お休みしまして;
この小話をあげてみた次第にござります。

では、そんなパロディは――
「続きを読む」より以降にて。

あと、最初に。

今回、時間が無かった事もあって(汗)
いつもやってる各個人のセリフの色付けは、止めました。

・・・わかりにくかったらゴメンナサイ。


では、以下、「雨月物語」パロです。


*******


◆ 菊花の約・道士郎パロディ ◆




それは、9月の初めのある日の事。
道士郎が言った事が始まりだった。


「兄者。もうすぐ9月9日でござるが・・・
 重陽の節句の準備はなさらないのですか?」
「・・・ちょうよう・・・?何ソレ?」
突然、道士郎の口から出た、聞いたこともないような節句の話に、
麗一は首をかしげて問い返す。

「なんと!兄者は重陽の節句をご存知ないのですか?」
「知らないよ。そんなの。」
「ママは聞いたことあるわよー。昔にあった節句よね。」
兄弟の会話に、フォローを入れるマリエ。

「昔・・・という事は、今は行われてはおりませぬのか?」
「ていうか、聞いたことないし。」
「麗ちゃん。重陽の節句は、菊を飾ったり、お酒を酌み交わしたり、
 高い場所にピクニックに行ったりする行事らしいわよ。」
「へぇー。そんな行事があるんだ。初めて知ったよ。」
母の意外な知識に、麗一は感心して頷く。

「なんでも節句の中でも最も重要な節句であると聞き及んでおったのですが・・・
そうでござるか・・・もう、日本では行われておらぬのですか・・・」
ショボーンと肩を落とす道士郎。
なんだかその様子があまりにも哀れで。

「ど・・・道士郎クン?
 なら、ピクニックに行きましょうよ?それなら出来るんじゃない?」
フォローするように、提案するマリエ。
「ママ、9月9日は平日だよ。」(※2004年の9月9日は木曜日)
「じ、じゃあ・・・
 とりあえずその日はお友達も呼んで、皆で家に集まらない?
 ママ、菊のお花とお茶菓子を用意しておくわ。
 お酒はダメだけど、皆で集まるだけでも楽しそーでイイじゃない!」
「そうでございますな!それは楽しそうでござる!」
母親の提案に、パァッと笑顔になる道士郎。

「・・・単純なヤツだな・・・」
そんな道士郎を見て、麗一はポツリと呟くのだった。





「・・・なるほど。そーいう訳でしたか。
 道士郎が家に来てくれと言い出した訳がわかりましたよ。」
マリエが出してくれた紅茶を飲みながら、健助は言う。
「イキナリ重陽の節句だなんて・・・
 ホント、何を言い出すのかわからないよ。道士郎は・・。」
「それは、わかります。」
ため息まじりの麗一の言葉に、何度もコクコク頷く健助。

ソファーの側のテーブルには、花瓶に入った菊の花。
その独特の香りは、この洋風の家には似合わなかったが・・・
決して居心地の悪いモノではなかった。

件の道士郎はというと――
向こうの方で、早乙女やら池内やら美世里達と、賑やかに談笑している。

「・・・ま、楽しそうだからイイんだけどね・・・。」
「・・・それも、わかります。」
ちょっと諦めたような、それでいて少し楽しそうな笑顔を浮かべる麗一に。
やはり健助は、同意の言葉を返す。

そして、視界の端で、エリカが輪から外れて退屈そーにしているのを見かけて。
健助は、麗一に軽くお辞儀をすると、
二人分の紅茶とお茶菓子を持って、エリカの方へと歩いていった。



「エリターン、どしたの。さっきまで道士郎達と一緒にいたのに。」
紅茶のカップとお菓子をエリカに渡しながら、言う健助。
エリカは、素直に健助からソレを受け取ると・・紅茶を一口飲んで、ため息をつく。
「アア・・・なんかあいつら、あまりにもアホな話してっからよ・・・。
 前世がどーのこーのとか。だからバカらしくなって、離れてた。」

ぷぴっ
エリカの言葉を聞いて、健助は飲みかけていた紅茶を軽く吐き出す。
「ぜ、ぜんせ・・・」
またか、と心の中で呟きながら、健助は道士郎達の方を見やる。

「――兄者は、約束してくださったのじゃ。
 重陽の節句の折には、必ず戻って来る、と。」

道士郎は、団欒の中心となって何やら生き生きと話している。

「あの・・・何の話してるのカナ?」
冷や汗をかきつつ、健助は道士郎達の輪に話しかける。

「あー!トノー!
 面白いんだよー!武士さんとお兄さんの前世の話!」
美世里が、大声で健助に話しかける。

ぷぴっ
今度は、向こうのソファーで麗一が紅茶を噴き出す。
・・・どーやら、しっかり聞こえてしまったらしい。

「おいおい、美世里。道士郎は別に前世とは言ってな・・」
「えー、前世の話だよー!だって、江戸時代とかの話でしょー?」
早乙女のツッコミに、美世里は言う。

ああ・・・そういや、あの達吉の前世話の時、ミヨッペもいたっけ・・・
とか思いながら。
健助はどこか遠い所を見つめるような目で、彼らを見やった。





そうじゃの・・・。
では健助殿の為に、今までの話を、かいつまんでお話いたそうかの。

かつて――
拙者と兄者は、兄弟の契りを交わした仲であった。
血の上では本当の兄弟ではなかったが、それはそれは仲のよい兄弟じゃった。

二人が知り合ったキッカケは――
拙者が、知り合いの家において、流行病に苦しむ兄者を引き取った事じゃった。

そして兄者は健康をとりもどされるまでの間を拙者の家で過ごされた。
話が合い、母上にも気に入られた兄者と拙者は、兄弟の契りを交わした。
だが、兄者は旅の者であり、故郷にてせねばならぬコトがあった為、旅立たれるコトとなった。

そうして拙者と兄者は、
重陽の節句の折に必ず再開しようと約束をして、別れたのじゃ。






彼の人との約束の日。
重陽の節句の日に――道士郎は、朝からいそいそと準備をしていた。

「道士郎クン、そんなに急いで準備しなくても彼が到着してからでも大丈夫よ。」
「何をおっしゃいますか母上。
 兄者は誠実なる武士であります。約束を違えようはずがございません。
 兄者は今日、必ず戻っていらっしゃいます。」
「そうかもしれないけど・・・」
「母上は休んでいてくだされ。準備は拙者が致しますゆえ。」

そうして道士郎は、朝一番から、
兄が何時戻ってきても大丈夫なようにすっかり準備を整える。
しかし朝が過ぎ、昼が過ぎ――日が傾く時分になっても、兄は戻ってはこなかった。

道士郎は、兄と酌み交わす酒と菊の花を用意した縁側に座り――
あるいは庭を歩き、時に門の外を覗き見ながら、彼の人の帰りを待つ。

日はすっかり暮れて、あたりはたちまちに暗くなる。
道士郎は、それでもしばらく待ち続けたが――
今日はもう遅いからお休みなさいという母の言葉を拒めず、道士郎は母だけを先に寝かしつけ。すっかり暗くなった外へと、再び出る。
もう一度だけ外を確認しよう、という気持ちで。

夜はすっかり更け、秋の風がひんやりと道士郎の身を冷やす。
星は冷たい光を放ち、凍てつく月の光は静寂な夜の世界をしんしんと照らすのみ。
道士郎以外に動く者のいないこの世界で、道士郎は彼の人を待ち続ける。
そうして、月が傾き山の端にその姿を隠した頃。

道士郎は、ふと庭の端に、人の気配を感じて、そちらを見やる。
そこには――ぼんやりとした暗闇の中、確かに人の姿があった。
道士郎はすぐにその影が彼の人である事を見抜き、
踊るような心持と共にそちらに駆け寄る。

「兄者!お待ち申し上げておりました!
 約束を守ってくださった事、嬉しく思います!」

道士郎の言葉に、彼の人は僅かに微笑み、頷いた。

「ささ、どうか酒の一杯でも飲んでおくつろぎくだされ。
 旅の疲れもありましょう。」

言って道士郎は、兄に酒を勧めるが――
彼の人は、その酒に口をつけようとはしない。
ただ、微笑を返し、道士郎の話に頷くのみ。
兄が酒を口にしないことで寂しそうな顔をする道士郎に
さすがに兄は観念したのか、静かにこう言った。

「道士郎・・・残念だけど、僕はもうそのお酒は飲めないんだ。」
「なんと!それは、どういう事でございますか?」
「僕はもう、この世の人間じゃないんだ。
 本当の僕は既に死んでいる。
 この姿は魂が見せる仮初めの姿なんだ。」
「一体、何があったのでございますか?兄者。」
「・・・うん。
 君と別れた後――僕は国に帰ったんだけど・・・
 思わぬ国の事情で、家の者に幽閉されてしまったんだ。
 頑張ったんだけど、どうしてもそこからは出られなくてね。
 このままでは、道士郎との約束を守れそうにはないと思った。
 そこで思い出したのが、
 『霊魂だけならば千里の道をも一瞬で越えられる。』という話だった。
 そこで、僕は自害をして魂だけの姿となり、千里の道を越えた。
 ・・・お陰で、こうして君との菊花の約を守る事ができたんだよ。」

言うと彼の人は、道士郎の用意した菊の花に手を伸ばす。
だが、その手は花弁を掴む事もなく、花に透ける。

「残念だけど・・・これで、僕と君は今生の別れとなる。
 ・・・どうか、母上を大事にしてくれ。」
言い終わると、彼の人は静かに席を立つ。

道士郎は慌てて止めようとするが――
その手が届く前に、兄の姿はすっと風にかき消えてしまい。
もはや、その場には誰もいなくなっていた。

そして、残された道士郎は――
ただ止め処なく涙を流す事しか、出来なかったのだった。






「・・・悲しいお話ね・・・」
「それで、結局その後どーしたんだよ。」
「うむ。その後は、もちろんすぐに、
 兄者の敵をとるべく、兄者の故郷へと馳せ参じ・・・
 見事、敵を取ってみせたのじゃ。」
「へー、そうなんだ。すげーな。」
「・・・いいお話ね~・・・」
「師匠、スゴイッス!」

道士郎が一通り語り終えた後も、何やら色々と盛り上がる道士郎達。
そんな彼らを、健助は遠い目で見ながら

『それ・・・まんま「雨月物語」の「菊花の約」じゃんか・・・。』

心の中でだけ冷静にツッコミを入れる。
開久のメンバーの中では、「雨月物語」を知っているよーな者はいないのか、誰一人としてツッコミを入れようとしない。
健助も最初はツッコミを入れようかとも思ったが・・・なんだかすごくムダなコトのような気がしたので、そのまま放置しておくことにした。

ちなみに。
向こうのソファーでは、麗一がカチカチと、震える手で紅茶をかき回していたりする。
・・・どうやら、健助達に話していた話を、しっかり全部聞いてしまったようだ。
内容的にヒトゴトじゃない話の為、完全に動揺しまくっているその様子に・・・

『・・・気の毒に・・・。』
健助は心の底から、麗一に同情したのだった。


――まぁ、何はともあれ。

そんな感じで・・・
桐柳家で行われた『重陽の節句もどき』は、つつがなく?執り行われたのだった。



(了)


*******


――はい。以上です。
・・・うーん。ホントは、なんとか9月9日に上げたかったのに間に合わなんだ・・・今日も土曜深夜便。日付改竄デス。

にしても、書いてから思ったのですが・・・
重陽の節句を知ってる人って、どれくらいいるものなんでしょーか?;
なんか、重要って言われてたワリにはキレイサッパリ忘れられてるイメージが(汗)
読む方からすると、カナリわけわかめな話になってしまったかもしれません(滝汗)

書いてる方としては、けっこうノリノリだったんですが;
雨月物語パロディの部分以外の所は、けっこう早く書けましたし。
途中の雨月物語パロディ部分は・・・参考にした雨月物語サイトの影響を受けないように書いたツモリですが・・・やっぱりビミョーに影響受けてるかもしれないと、ちょっとorz

何にせよ、一応でも完成できて良かったです。
また、手直しするかもしれませんが(汗)


後。ホント言うと・・・
コレ、最初は健助と道士郎で書こうと思っていたんですよ;
でも、この話の場合だと、なんとなく兄者の方が合うかな?とも思ったので・・・なんとなく兄者っぽくしてみました;
いや、幽霊になる方が道士郎で、待つ方が健助ってパターンでも合うかな?とは思うのだけど;
やっぱ「兄者」って言葉がなー・・・・うーん(汗)

しかし実は、雨月物語パロ部分ではあえて「麗一」という名前を出さないように書いたので・・・とろうと思えば、誰にでも見てとれるようにはなってたりもします;(隠しネタ?;)


・・・ってな所で;
今回、ここまでー(汗)

  1. 道士郎でござる・駄文
  2. 2006/09/09(土) 23:58 | 
  3. コメント:0 | 

  

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